世界の食料安全保障のため、国際農業開発基金(IFAD）と日本が小規模生産者と民間セクターを繋ぐ

2023年4月20日（ローマ/東京）小規模農家や生産者と農業・食品企業を結びつけることにより、世界の食料安全保障に貢献するー。開発途上国の農村を支援する国連専門機関である国際農業開発基金（IFAD）の総裁アルバロ・ラリオと野村哲郎農林水産大臣が発表した声明の中で、「民間セクター・小規模生産者の連携強化（ELPS）」イニシアチブを立ち上げ、今週末に宮崎で開かれるG7農業大臣会合で発表することが明らかにされました。

IFADと農林水産省が発表した共同声明では、民間企業の関与を促進し、食料システムをより強靭で持続可能なものにすることを目的とした戦略的パートナーシップの強化を約束しています。ELPSの投資は、開発途上国の小規模生産者の生産性向上、所得増加、生活改善に向けられる予定です。農林水産省は、本パートナーシップの一環として、ELPSイニシアチブの実施を目的として約200万米ドルをIFADに支援します。

予測不能な天候、干ばつ、洪水は、農業・食品生産に大きな支障をきたすため、気候変動の最前線に生きる農民、漁民、畜産家、食品加工業者などの小規模食品生産者は、現在の複合的な危機の影響を最も強く受けています。小規模生産者は食料安全保障の礎であり、実に世界の食料の3分の1を生産しているにもかかわらず、収入の半分以上を自らの食費に充てているため、昨今の物価上昇に対応することができずにいます。

本共同声明は、民間セクターがもつ世界の飢餓、栄養不良、貧困を撲滅するための本質的な役割を認識しています。食品会社等の民間セクターは、小規模生産者と協力することで、持続可能な農業と強靭な食料システムの確立に貢献することができます。互恵的な協力は、農業生産を増加させ、両者の利益を高めるとともに、世界の食料安全保障を強化することに繋がります。

野村大臣は、「本イニシアチブは、民間セクターと開発途上国の小規模生産者との協力を促進します。生産者は生産性を向上させるために有益な企業の専門知識・技術から恩恵を受けることができます。一方企業は、開発途上国の生産者たちとより深く関与することで、バリューチェーンの持続可能性を高める機会を得られるのです。」と述べました。

ラリオ総裁は、「IFADは、G7議長国である日本のリーダーシップのもと、官民による農村投資を促進することを目的としたこの重要なイニシアチブの実施パートナーとなることを光栄に思います。IFAD独自の特長を生かして、開発途上国の小規模生産者たちが新たな市場を拡大するための支援をします。小規模生産者は、民間企業の専門知識、知見、技術から多大な恩恵を受け、生産力及び所得を向上させ、さらには世界の食料安全保障に貢献することができるでしょう。」と述べました。

ラリオ総裁は、４月22、23日に宮崎で開催されるG7農業大臣会合に参加し、IFADのビジョンをG7のリーダー達と共有するとともに、世界の食料安全保障と安定を確かなものとするための最も費用対効果の高い方法として、農村開発と強靭性の強化に投資することを訴えます。

また、ラリオ総裁は宮崎で日本の大手食品会社の最高経営責任者数名と会談し、日本の民間セクターと途上国の小規模食品生産者をつなぐ機会を模索します。

日本とIFADは、特にアフリカとアジアの低所得国及び低中所得国に焦点を当て、世界の食料安全保障と栄養改善の達成に向けた取り組みを共有しています。日本はIFADの重要なパートナーであり、加盟国でもあります。1977年以来、IFADに総額で6億1,940万米ドル（US$619.4 million）を拠出しており、6番目に大きな拠出国です。

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Press release No.: IFAD/33/2023

IFAD is an international financial institution and a United Nations specialized agency. Based in Rome – the United Nations food and agriculture hub – IFAD invests in rural people, empowering them to reduce poverty, increase food security, improve nutrition and strengthen resilience. Since 1978, we have provided more than US$24 billion in grants and low-interest loans to fund projects in developing countries.   

A wide range of photographs of IFAD’s work in rural communities are available for download from its Image Bank.